「転ばないでね」が、一番難しい。ふらつく足と、心配する家族のオハナシ。
2026/10/30
どーも、オハナです。
天白区元八事で、黄色い制服を見かけたら「オッハ~!」と
話しかけてみてください。
たぶんすごいびっくりします。
はい、突然ですが。
「転ばないように気をつけてね」
この言葉、言ったことありませんか?
私もあります。
たぶん、何度もあります。
でも、よく考えてみたんです。
転ばないように気をつける。
……いや、もちろん気をつけたいんですけど。
気をつけて転ばずに済むなら、最初から転んでないんですよね。
今日は、そんな「ふらつき」のお話です。
「大丈夫、大丈夫」が、あまり大丈夫じゃない。
例えば、こんな場面。
椅子から立ち上がったお父さん。
ちょっと身体が揺れています。
家族はすかさず、
「ちょっと! 危ないから座って!」
でも本人は、
「大丈夫だって」
と、そのまま歩き出そうとする。
そして、またふらつく。
家族としては、心臓に悪い。
本人としては、そこまで騒がなくても……と思っているかもしれません。
「危ない!」
「大丈夫!」
このやり取り、何回目でしょうか。
どちらも間違ったことを言っているわけではありません。
家族は転んでほしくない。
本人は、自分で歩きたい。
ただ、それだけなんです。
……それが、なかなか難しい。
杖はある。でも、使わない。
海外の介護家族の体験談を読んでいて、印象に残ったことがあります。
高齢の家族が転ぶことを心配しているのに、本人は杖などの歩行補助具を使いたがらない。
転倒が続き、家族はどうしたらいいのか分からない。
そんな相談が、いくつもありました。
さて。
杖があれば安心なのか。
……と思ったら、そう簡単でもありません。
杖があっても、使ってくれるとは限らない。
使っていても、転倒の危険がなくなるわけではない。
そもそも、その杖が身体の状態に合っているかも大切です。
道具を用意することと、安心して使えることは、別の話。
これがまた、悩ましいところです。
家族の目が、あと二つくらい欲しい。
ふらつきがある方と暮らすご家族。
心配なのは、目の前で歩いているときだけではありません。
夜中にトイレへ行くとき。
一人でお風呂に入るとき。
家族が買い物に出かけているとき。
ちょっと目を離した、そのとき。
海外の介護家族の投稿にも、
家の中を安全にしようと工夫しながら、
離れている時間の転倒を心配する声がありました。
これ、考え始めるときりがありません。
家中に手すりを付けたくなる。
床にあるものを全部片づけたくなる。
できることなら、ずっとそばにいたい。
でも、ご家族にも生活があります。
仕事もあれば、買い物もある。
自分の時間だって必要です。
24時間、転倒を見張る仕事。
……そんな求人があったら、なかなか応募する勇気が出ません。
しかも、休憩時間なし。
さすがに無理があります。
だからこそ、家族の頑張りだけで何とかしようとしなくてもいいと思うんです。
ところで、そのふらつき。足のせいですか?
ここで、オハナのスタッフの出番です。
「最近、歩くとふらつくんです」
そんな相談があったとき。
リハビリ職としては、歩き方やバランス、筋力などが気になります。
でも、看護師にはまた違う視点があります。
血圧はどうだろう。
薬の影響はないだろうか。
体調はいつもと違わないだろうか。
食事や水分は取れているだろうか。
もちろん、リハビリ職も全身状態を確認しますし、看護師も身体の動きを見ます。
ただ、ふらつきの原因は一つとは限りません。
筋力やバランスの問題だけでなく、血圧の変動、薬の影響、視力や耳の問題、病気など、いろいろなことが関係する場合があります。
つまり。
「ふらつくなら、足を鍛えましょう!」
……で、話が終わらないこともあるんです。
むしろ、原因を確認する前に無理に歩く練習をするのは危険な場合もあります。
だから、身体の動きだけでなく、体調や生活の様子も一緒に見ていく。
看護師とリハビリ職、それぞれの視点が役立つ場面です。
家の中が、ちょっとした障害物競走。
訪問の仕事でやりがいがあるのは、生活の現場をそのまま見られること。
例えば、寝室からトイレまで。
たった数メートルでも、途中にはいろいろあります。
敷物。
家具。
ちょっとした段差。
夜になると暗くなる廊下。
そして、なぜか絶妙な位置に置いてあるもの。
普段は何とも思わない場所でも、ふらつきがある人にとっては気になることがあります。
だから、歩き方だけでなく、家の中の環境も大切です。
ただし。
「危ないから全部片づけましょう!」
これも、そう簡単にはいきません。
長年使っている家具かもしれない。
お気に入りの敷物かもしれない。
本人なりに使いやすい配置なのかもしれない。
安全は大切。
でも、そこは本人の家です。
私たちが暮らす家ではありません。
何を変えると安全になりそうか。
何なら変えられそうか。
そんなことを、一緒に考えていく必要があります。
転ぶのが怖くて、歩かなくなる。
もう一つ、気になることがあります。
それは、転倒そのものだけではありません。
「また転んだら怖いから、もう歩きたくない」
そんな気持ちです。
転倒を経験すると、また転ぶのが怖くなることがあります。
すると、外出を控える。
家の中でもあまり動かなくなる。
動く機会が減れば、筋力やバランス能力が低下することもあります。
そして、ますます歩くのが不安になる。
……困りました。
転ばないために歩かなくなったら、今度は歩くことがもっと怖くなる。
なかなか厄介な話です。
もちろん、危険な状態で無理に歩く必要はありません。
でも、ただ「歩かないで」と言うだけでは、別の困りごとが生まれる場合もあります。
だから、身体の状態や転倒の危険性を確認しながら、
その人に合った動き方や環境を考えていくことが大切なんですね。
「歩かないで」と「歩きたい」の間に。
家族は転んでほしくない。
本人は自分で歩きたい。
スタッフは安全に暮らしてほしい。
みんな、願っていることはそんなに違わないはずです。
でも、いざ生活の場面になると、意見がぶつかることもあります。
そんなとき、私たちが考えたいのは、
「歩くか、歩かないか」
という二択だけではありません。
どんなときにふらつくのか。
どこを歩きたいのか。
どんな方法なら負担を減らせそうか。
手すりや歩行補助具は必要か。
誰かの手助けがあればできることはないか。
そして、本人は何を一番大切にしているのか。
「転ばないこと」はもちろんですが、
そこから、考えることはたくさんあります。
トイレに行きたい。
台所に立ちたい。
庭に出たい。
近所の人と話したい。
その一つひとつが、本人にとっては大切なことかもしれません。
さて、今日も「気をつけてね」。
結局のところ、ふらつきへの対応に、誰にでも当てはまる一つの答えがあるわけではありません。
原因も、身体の状態も、家の環境も、人それぞれ。
そして、本人と家族の思いも、それぞれです。
だからこそ、看護師もリハビリ職も、いろんなところに目を向けながら考えていきたいと思います。
それにしても。
「転ばないように気をつけてね」
この言葉。
きっと、これからも言うと思います。
だって、心配ですから。
ただ、その一言だけではどうにもならないことがあるのも事実。
「気をつけてね」の、その先を考える。
それも、訪問する私たちの仕事なのかもしれません。
名古屋市天白区元八事の訪問看護ステーションオハナ。
黄色い制服でどこよりも目立ちます。
ふらつきや転倒のこと、ご自宅での生活のこと。
気になることがあれば、気軽にオハナシくださいね。
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訪問看護ステーションオハナ
住所:愛知県名古屋市天白区元八事3丁目18
電話番号:052-990-4674
名古屋で一人ひとりのリハビリ
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